放電加工とは
金属は様々な方法で加工され、利用される材料です。
(削る・磨く・伸ばす・曲げる・切断する・接合する・加熱するなど)
金属部品加工において、多くは「ボール盤」「旋盤」「フライス盤」など、
切削加工主体で製造されていると思います。
しかしながら近年、切削加工では困難な材質・形状や精度を必要とする加工が
多くなってきました。
こうした「切削加工では困難な金属加工」を補助するのが電気の作用を用いた
金属加工技術である「放電加工」です。
放電加工の種類には、
・ 細線電極を用いて輪郭加工する「ワイヤーカット加工」
・ 目的の形状の電極を用いて加工する「型彫放電加工」
の2種類があり、当社は「ワイヤーカット加工」を専門とします。
放電加工の仕組み
ここではワイヤーカット放電加工を例に放電加工をおおまかに解説します。
◆工程1 |
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左図のように被加工物(ワーク)と電極(切削工具に相当)に加工電源を接続し、被加工物と電極の間に放電加工用に調整された加工液を循環させます
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◆工程2 |
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被加工物と電極をサーボモーターによって接触しないように接近させます(数ミクロン~数十ミクロン程度)
その上で加工電源から電圧を発生させると被加工物と電極の間にはアーク放電が発生します
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◆工程3 |
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アーク放電による局所的に発生した高温の熱により被加工物の表面と電極は融け、さらに加工液が気化爆発を起こし被加工物を削り取ります
※熱変化や爆発による被加工物への影響は被加工物表面の数十ミクロン程度のものであり、更に被加工物全体は加工液により常時冷却されているので被加工物全体がが高温にさらされることはありません
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◆工程4 |
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循環している加工液によって削り取られた加工屑は押し流され被加工物と電極の間が広くなります
消耗したワイヤー電極は巻き取られ、新しい電極が供給されます
(工程2へ戻る)
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上記の放電サイクルが1秒間に数千~数万回繰り返し行われ、NCプログラムにより定義された形状に加工していきます。
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